「未来のコンセプト展示でしょ?」と思われていた“人が乗れる四足歩行ロボ”CORLEO(コルレオ)が、ついに製品化に向けた開発フェーズへ。
川崎重工は社長直轄プロジェクトとして専任組織を立ち上げ、2035年の製品化を目標に動き始めました。さらに、2030年開催予定の「サウジアラビア・リヤド万博」で会場内モビリティとして採用されることも狙うとのこと。

◆ CORLEOって何?ひと言でいうと「乗れる四足のオフロードモビリティ」
CORLEOは、ロボティクスの4脚走破性と、モーターサイクルで培った操縦性・安定性を合体させた“新カテゴリー”のパーソナルモビリティです。
- 4脚で悪路を走破(岩場・がれ場なども想定)
- 乗馬みたいに重心移動で操作(ステップ&ハンドルで検知)
- 後脚が独立して上下動して衝撃吸収(スイングアーム発想)
- ひづめは滑りにくいラバー+左右分割構造で地形対応
- 水素エンジンで発電 → 電動で脚を駆動(シリーズハイブリッド的な構造)
◆ “本気の开发”に踏み切った理由:SNSで12億リーチ
川崎重工によると、CORLEOは万博での披露後にSNSで累計約12億リーチを達成。海外からも注目が集まり、共同開発の申し出も複数あったといいます。こうした熱量を受け、構想止まりにせず開発へ踏み切った形です。
◆ ロードマップ:2030→2035、さらに“ゲーム展開”まで視野
- 2027年中:4脚モビリティの“乗車体験”ができるライディングシミュレーターを完成目標
- 2030年:リヤド万博の会場内モビリティ採用を目指す
- 2035年:製品化(販売)を目標
しかもこのシミュレーター、開発過程で得られる3Dモデルやモーションデータを含むシステムを、ゲーム・eスポーツ業界へ展開することも視野に入れているとのこと。ゲーム好き的にはここが一番アツいポイントです。
◆ 技術面のキモ:「水素×シリーズハイブリッド」っぽい構造
公式のコンセプト説明では、150ccの発電用水素エンジンを搭載し、後方キャニスターの水素で発電、その電力で4脚のユニットを駆動する構成が語られています。
さらに技術資料では、必要定格出力を15kWとして検討していること、NOx抑制の観点から希薄燃焼を採ること、そして不足する出力を補うために過給2スト(ポペット弁付き)というコンセプトまで触れられています(※検討・設計コンセプト段階の情報)。
◆ “安全に山を楽しむ”までセットで作る:「SAFE ADVENTURE」構想
CORLEO単体の乗り物だけでなく、山岳事故ゼロを目指す「SAFE ADVENTURE」コンセプトのもとで、
- 天候・気温・路面状況
- 野生動物の出現
などを検知して、スマホ等のデバイスを介して安全なルート案内を行うナビゲーションシステムも開発するとしています。
◆ まとめ:これは“夢の展示”から「事業」へ移った
CORLEOは、未来の乗り物としてのロマンだけじゃなく、
- 2030万博での運用
- 2035製品化
- 2027シミュレーター→ゲーム/eスポーツ展開
…と、ちゃんと現実のスケジュールと出口が見え始めています。
「いつか乗れる」じゃなく、「どうやって乗れるようにするか」のフェーズに入ったCORLEO。続報が出るたびに“未来が一歩近づく”タイプのプロジェクトなので、追いかける価値ありです。


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