漢字一文字で世相を表す恒例の「今年の漢字」が、2025年は「熊」に決まりました。京都・清水寺で森清範(せいはん)貫主が大書し、年末の風物詩として発表されました。

清水寺で発表、投票総数は18万9122票
主催する日本漢字能力検定協会は、2025年の世相を表す漢字として「熊」を発表。清水寺(京都市東山区)で森清範貫主が、縦1.5m×横1.3mの和紙に揮毫しました。
募集は11月1日〜12月9日に行われ、全国から189,122票が集まりました。
上位3位は“僅差”――2位は「米」、3位は「高」
- 1位:熊 23,346票(12.34%)
- 2位:米 23,166票(12.25%)
- 3位:高 18,300票(9.68%)
1位「熊」と2位「米」はわずか180票差。まさに接戦の結果となりました。
なぜ「熊」?――“山の話”では済まなくなった現実
選出理由として協会は、各地で熊の出没が相次ぎ、人身被害・死亡者数が過去最多になったこと、生活圏での目撃が増えイベント中止や休校、農作物被害など社会生活へ影響が拡大したことを挙げています。
被害拡大を受けて政府が緊急対策を取りまとめたことや、自治体の要請を受けた対応なども、今年を振り返るキーワードとして示されました。
「熊猫(パンダ)」も話題に
「熊」が選ばれた背景には、熊の被害だけでなく、和歌山・白浜町の施設からジャイアントパンダ4頭が中国へ返還されたことも“熊(猫)”の連想として挙げられています。
発表の場で語られた思い
森清範貫主は、熊による被害で亡くなった人がいることに触れ、「誠にいたましく、ご冥福をお祈りする。来年はいい字が選ばれることを祈念いたします」との趣旨を述べました。
「今年の漢字」は1995年から続く“世相の記録”
「今年の漢字」は1995年に始まり、一般公募で集まった一文字から最も票を得た漢字を発表する取り組みです。今回の「熊」は、上位20位までの結果も公開されています。
なお、1995年開始以来、動物の漢字が1位になるのは2003年の「虎」以来とされています。
“熊が出るのは山”――そんな前提が崩れ、日常のすぐそばに不安が迫った2025年。僅差で2位となった「米」とともに、「暮らし」を揺らした一年の空気を、たった一文字が突きつける結果となりました。


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