皆さんこんにちは!めたんです。
ドラムのミックスって、地味に時間が溶けます。
コンプ、EQ、ゲート、空間系……やれることが多いぶん、正解も迷子になりがち。
そこで便利なのが Waves「EKramer DR(Eddie Kramer Drum Channel)」。
“ドラム専用のチャンネルストリップ”で、少ないノブ操作でも キック・スネアが前に出て、全体がまとまる のが強みです。
下の画像が EKramer DR(Eddie Kramer Drum Channel)の画面イメージです。
左が「入力・コンプ・ゲート」、真ん中が「どのドラムか選ぶボタン」、右が「EQとエフェクト」です。

1. EKramer DR とは?どこにある?
- Wavesの「Eddie Kramer Drum Channel」のコンポーネント名が EKramer DR です。
- マニュアル上では
- EKramer DR mono(モノイン→モノアウト)
- EKramer DR stereo(ステレオイン→ステレオアウト)
の2種類があると書かれています。
- DAWのプラグイン一覧では、メーカー:Waves → “Eddie Kramer” か “EKramer DR” あたりの名前で出てくるはずです。
- マルチマイク/マルチアウトのドラム用に作られていて、
キックトラックに1つ、スネアトラックに1つ…という感じで各トラックに挿して使うのが基本です。
2. 画面のざっくり構造(画像を見ながら)
画像を見ながら、ざっくり位置だけ把握しておくと楽です。
真ん中の丸いメーター周り
- 上の メーター:
- IN/OUT切り替えスイッチで、入力 or 出力を表示します。
- まずは IN 表示にして、メーターが振れすぎていないかチェックします。
左側の縦ノブ(入力&ダイナミクス)
上から順に:
- SENSITIVITY(センシティビティ)
- プラグイン全体の「かかり具合」と入力レベルをまとめて調整するノブ。
- 右に回すと音が前に出て、コンプやEQの効きも強くなります。
- 横のLEDが 黄〜オレンジくらい に光るのが標準的な目安。
- COMPRESS
- コンプレッサーの量。
- 右に回すほどアタックが抑えられ、音量がそろって“ロックっぽい”まとまりに。
- GATE
- ノイズや余韻を切るゲートのしきい値(主にBDモードで有効)。
- 右に回すとスネアのスナップやキックの「ボフッ」の後ろがスッと切れて、タイトな印象に。
(モードによっては、GATEやCOMPRESSのノブがグレーアウトして動かせないことがあります。
例:HHモードではCOMPRESSとGATEが自動設定で固定。
真ん中の丸ボタン列(ドラムの種類)
画像中央〜やや左寄りに、 BD / SNR / HH / TOMS / OH / ROOM の丸ボタンがあります。
- BD:バスドラム
- SNR:スネア
- HH:ハイハット
- TOMS:タム
- OH:オーバーヘッド(シンバルなど)
- ROOM:ルームマイク
ここで「今このトラックは何のドラムか」を選びます。
選んだモードごとに、内部のコンプやEQの基準値が変わり、「その楽器用のプリセット」に切り替わるイメージです。
右側のノブ(EQ & FX)
上から:
- FX
- 内蔵エフェクトへの センド量 を調整。
- ルーム感やリバーブっぽい響きを足したいときに、少しだけ上げます。
- TREBLE
- 高域のブースト/カット。
- スネアの抜けやハイハットのシャリっと感を調整。
- BASS
- 低域のブースト/カット。
- キックの「ドンッ」という重さ、タムの太さを調整。
- OUTPUT
- 最終的な出力レベル。
- プラグインを バイパス ON/OFF する前後で音量が極端に変わらないよう にここで合わせます。
3. 基本的な使い方(最短3ステップ)
① ドラムトラックに挿す
- DAWで、キックやスネアなど ドラムをパラアウト(各パーツを別トラックに出力)します。
- それぞれのトラックのインサートに EKramer DR mono/stereo のどちらかを挿します。
- モノ録りのキックやスネア → mono
- ステレオのOHやROOM → stereo
② ドラムの種類を選ぶ
- 挿したトラックに合わせて、中央のボタンから
- キック → BD
- スネア → SNR
- ハイハット → HH
- タム → TOMS
- オーバーヘッド → OH
- ルームマイク → ROOM
を押します。
これだけで、Kramer流の「その楽器用の基本設定」が呼び出されます。
③ Sensitivity → 音量 → 仕上げ
- トラックを再生しながら SENSITIVITY を回して、横のLEDが
- 緑〜黄色:ちょっと弱め
- 黄〜オレンジ:ちょうど良い
- 真っ赤連発:入力オーバー気味
になるように調整します。
- その後に
- COMPRESS…まとまり感・パンチを耳で聞きながら調整
- GATE…タイトにしたいときだけ少し上げる
- BASS / TREBLE…足りない帯域だけを少し足す
- FX…ドラムに空間が欲しいときに少しだけ上げる
を好みに合わせて触ります。
- 最後に OUTPUT を調整して、バイパス前後で音量が大きく変わらないよう合わせて完成です。
4. ざっくりおすすめ設定例
※あくまで「出発点」としての参考です。耳で聞いて微調整してください。
キック(BD)
- モード:BD
- SENSITIVITY:12時〜1時
- COMPRESS:1時〜3時(攻めたいときはさらに)
- GATE:12時前後(他トラックへのかぶりを整理)
- BASS:12時〜2時(曲に合わせて)
- TREBLE:11時〜1時(アタックを出したいとき)
- FX:ほぼ0〜9時(キックはあまり濡らさないことが多い)
スネア(SNR)
- モード:SNR
- SENSITIVITY:12時前後
- COMPRESS:2時前後(バシッとさせる)
- GATE:お好み。タイトにしたいなら少し上げる
- TREBLE:1時〜3時(スナップやエア感)
- BASS:11時〜1時(太さの調整)
- FX:9〜11時(少し残響を足すとロック感UP)
ハイハット(HH)
- モード:HH
- COMPRESS・GATEがグレーアウトしていれば、そのままでOK。
- SENSITIVITYで音量と存在感を決め、TREBLEを少し上げてシャリっとさせる。
- BASSは上げすぎるとモワつくので控えめに。
オーバーヘッド/ルーム(OH / ROOM)
- モード:OH or ROOM
- SENSITIVITY:12時前後
- COMPRESS:軽めに(11〜1時)
→ 強くすると全体がグッと前に出て“ロックな部屋鳴り”になります。 - FX:0〜少しだけ(部屋感とのバランスを見て)
5. うまくいかないときの簡単チェック
- 音が潰れすぎる / パンパンする
→ SENSITIVITY と COMPRESS を両方少し絞る。 - ノイズや他パートのカブリがうるさい
→ GATEを少しずつ右に回す。ただし、叩き始めまで削らないよう注意。 - EQをいじりすぎてよく分からなくなった
→ BASS/TREBLEを一度12時(フラット)に戻して、足りないほうだけ少し上げる。 - バイパスすると音量が全然違う
→ OUTPUTでレベルを合わせてから、音の質感だけを比較する。
以上がEKramer DRのざっくりとした使い方になります、ここまで読んでくれた方なら、なんとなく触る状態から卒業できているはずです!
難しい理屈よりも、SENSITIVITY→COMP→最後にOUTPUTで音量を揃える。まずはこの流れだけ守って、Kick/Snare/Hatsを一つずつ整えてみてください。ドラムがまとまると、曲全体の説得力が一気に上がります。今日のセッションで、まずはスネアから試してみましょう。
それではまた次回、ありがとうございました。

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